ド地味生活

滋味ある地の暮らしが精神を耕す

ローカル線で3人連携プレーで蜂を逃がした話

日常の一コマを切り取ってみる。

ガラガラに空いているローカル線に乗ってガタンゴトンと揺られながら、

車窓をぼーっと眺めていた。車掌のすぐそばの最前列のシートに座っている。
ブンブンいう音が割と近くで聞こえるなーと思って見上げてみる。


蜂だ。
マンバチかなんかそれ系のデカめの蜂が窓ガラスにコツンコツン当たりながら窓から出ようともがいている。

隣に座っているおばあさんがおもむろにティッシュを取り出したかと思うと、蜂に被せようとした。蜂は向かいの座席に飛んでいった。
向かいの座席には若い大学生らしきカップルがいて、蜂が来たら、「わっ」と避けた。
若いカップルの、男の方が電車の窓を下から持ち上げて開け始めた。
蜂は窓の上の方にいるので、空いているのに気づいていないようだ。

儂はすくっと立ち上がり、向かいの座席にすたすた歩いて行って、

手に持っていたチラシ片手に、蜂をすくおうとした。

シュッと!

蜂がシートに叩き落とされた。
カップルのすぐそばだったから、
「わあ。」とカップルが飛びのいた。

儂は、今度はシートにチラシを振りかざし、

くるりと回転させて
ピッと
窓から蜂を外に出した。

カップルは窓を閉め始めた。
おばあさんが「慣れているのね」と呟いた。
車掌はずっと正面を向いているから、蜂のことなんぞ知らんだろう。
まあ、田舎ではよくある光景のはず。

首都圏の混雑した電車だったらどうなんだろうな?