ド地味生活

滋味ある地の暮らしが精神を耕す

さもないものが食いたいのよ。今年のお正月は2月にも再びやる

大寒シーズンだ。11月立冬ぐらいから冬眠モードで動けなくなってくるけど、寒さが一番きついので水仕事で手がじんじんという。

あれよあれよと2021年の1月が過ぎてしまった。

2020年12月に初詣、いつやるべ?問題に注意資源を割き、

今回は旧暦のお正月ば、ちゃんとした正月にして、

新暦の正月も行事はやっけど、仮のお正月として2回やろうって位置づけた。

旧暦でやってる儂の中では年末。いつ年明けか未定の年末。

 

実施日は天気次第。立春から旧正月、雨水ぐらいまでに?

周期的に変化する体調と気分という自分暦でもフィルタかける。

ロジックと計算でそこそこ詰めるけど、それが全てじゃない。

気を読み、風を読み、ふっと外に出て空気の匂いを感じて日を撰ぶ。

自然に対するHighly Sensitivityに向いてるなら暦の吉凶よりも、

もっとprimitiveな判断するのも一興。

 

アペリティフ(apéritif)のお屠蘇も2回目の分も用意してある。

自分にはこれは外せないなってスパイスを特定したら、みりんにうるかすだけ。

・お屠蘇やろうって行動の背景にある過去のフィールドワーク

(1)九重に出逢う-九重みりん時代館・工場見学 | 九重味淋株式会社

(2)京都の賀茂御祖神社(通称、下鴨神社)。【常駐ガイド】§下鴨神社第9日。十二単特別拝観/大炊殿エリア#2 | ワルディーの京都案内 - 楽天ブログ

 

ままちゃんのおせちを一部再現したく、生のちょろぎをお取り寄せして、塩で漬け梅酢で漬けて、浸かるまで一週間近く待ってのひと齧り。ちょろぎって救荒植物だし、さもないもんよ。

出た言葉は、「そうそうそうそうこれこれこれこれ」

食い慣れない人は食い慣れない。食は三代というし。

同じもの食い継いできた原体験が共有できる一族や同郷なら、各地に散らばってしまっていても共感しかない。

小学生の頃、家で読んでた漫画で最高のスパイスは思い出なんだ…料理版ブラックジャック『ザ・シェフ』第一巻第一話p.32ですよ。再読したら涙流して食べるおんちゃんが重なり、瞬泣き。あの方が亡き今は、もう幻の味。当たり前のようにすぐ手に入ってたと感じていたものが、後からあれって見回したらもう得難いものなの。喪失感とか郷愁とかほろ苦い渋みが、恵みへの感謝の言葉が口をついて出てくるときの発声に重層的に彩りを添える。ラやシの音だろうか。

スーパーのスパイスコーナーでついついじっくり見てしまうのも、きっとこういう刷り込みが効いているんじゃないか。冬のコトコトビーフシチューにキャラウェイシードをパラパラッと。

 

明日が土用明けだから、今は冬土用もラストスパート。

冬は豆料理をやり込むのもいい。ひと冬越すごとに、小豆や黒豆の経験値がたまる。

食のルーツは東北人らしく秘伝豆(枝豆のような風味の青大豆)を塩水で煮て、

これは仕掛品。

これ、ずんだイケるんじゃないか?

なーんて、ここからどれだけ派生が思い描けるか。

チャングムの誓いに出てくる味を描く能力。

描かずして描くの極意。

別に絵筆を握ることにゃこだわらず、

思考のキャンバスとカメラアイ特性(eidetic)で、手ぶらで身軽に。

 

食べたことはあっても名前も知らず、聞いただけでもピンとこず、

見たことあってもはっきり見覚えがあるともいえず、

記憶の底に沈んでしまい、どう探せばよいのやら、という中で、

生きてく中で何かの拍子にひらりと再会できたら機会だね。

そこで、ぱしっと捕らえるしかない。

 

そういえばそんなのあったなこれ、と思い出の再現しながら、

2021年は安息年(שְׁמִטָּה Shemittah)かなと予感する。

2014年どうして過ごしてたっけと記憶と記録のデータベースを参照する。

まだ弾倉に弾を込める段階の息遣いで。