ド地味生活

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隠遁者が好きな哲学者10選

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

影響を受けた哲人達のリクエストのアンサーがそろそろまとまってきました。

ブログ紹介~噛めば噛むほど味が出るスルメ系哲学女子編~ - れいたんパパの雑記ブログ

 

1.ウィトゲンシュタイン ツルザラの両刀使い、一粒で二度美味しい人生

軍隊経験、田舎教師、建築、箱の中のカブトムシ

2.デカルト 虚弱体質が思想に与える影響

文字による学問、世間という大きな書物、軍隊経験、炉部屋の思索

3.パスカル 『真空論序言断章』で2つに学問を分ける

Fragment de préface pour le traité du vide - Wikisource

4.フランシス・ベーコン 『古代人の知恵』でのプロメテウスの松明リレー

https://en.wikisource.org/wiki/The_Wisdom_of_the_Ancients/5#Chapter_XXVI

5.エピクロス 隠れて生きよ エピクロスの園 じんわり続く穏やかな快楽

6.エピクテトス 脱獄する言葉

THE GOLDEN SAYINGS OF EPICTETUS XXXIIより "Throw him into prison!"—What prison?—Where he is already: for he is there against his will; and wherever a man is against his will, that to him is a prison. Thus Socrates was not in prison, since he was there with his own consent. 

https://www.gutenberg.org/cache/epub/871/pg871-images.html#link2H_4_0032

「学校は監獄だよ」18歳の不本意入学直後いまいちピンとこず、ひっかかりだけ。じわじわと模範囚として過剰適応してきた自分に気づく。学校だけでなく家庭も会社も地球も様々なものが檻に見えてくる。いつになったら解放されるのか?出口が見えない収容所体験で拘禁反応を観察する。アサイラムにも目を向ける。居たくて居るならそこは監獄じゃないと体験知として納得するのに30歳くらいになってたんじゃなかったかな。そこからまた就労した。

7.シノペのディオゲネス プラトン曰く、狂ったソクラテス

ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝』より54. On being asked by somebody, "What sort of a man do you consider Diogenes to be?" "A Socrates gone mad," said he.

https://en.wikisource.org/wiki/Lives_of_the_Eminent_Philosophers/Book_VI#Diogenes

6.ソクラテス プラトンが描写したソクラテス

プラトン『クリトン』より”だから人は、祖国に畏敬の念を持っていて、その怒りを買ったときは、父親が怒っているとき以上に穏やかに、そして恭しく、怒りをなだめるように頼み、考えを変えてくれるよう説得し、どうしてもだめなときは従うのではないのか。”プラトン著「クリトン」 | SOGO_etext_library

怒れる親に頼んで説得するという選択肢がなかったので泣けた一文。

7.老子 小国寡民の理想郷

8.チャールズ・ラム 退職フィーバーとリバウンドで復職したくなる気持ちのギャップ

自分がFIRE向きか考える素材。サミュエル・スマイルズの『向上心』が手短にまとまっている。もっと読みたいなら『エリア随筆』や手紙の類をあたるといい。

Character, by Samuel Smiles

9.清沢満之 ミニマム・ポッシブル 風当たりの強い大浜の西方寺と九重味淋に挟まれた小道に佇む。味醂蔵で働く屈強な男たちと肺結核の隔離部屋の男とのコントラスト。

10.パラケルスス 錬金術師 全部毒だから程度問題だよ

本を手に取ったとき、なぜ医学に占星術が?となった。現代の価値観や近代の合理性で測っておかしいとするより、一見非合理な中にもその時代やその場所で通用するまた別の合理性を理解しようという態度をとるきっかけになった。